2019.01.21
フロアスタンド
ショールームに展示してあるウッドフレームのフロアスタンド。 最近ショームームの前を通りがかったお客様からたまたま数件お問い合わせを頂きました。 その都度、試作品であるため、販売の目処は立っていない旨ご案内させていただいておりますが、改めてフロアスタンドの製作経緯や何故商品化できないのか、ご紹介したいと思います。 今から5年ほど前の話です。 当時、ショールームにペンダントランプしかなく、北欧のようにもっと間接照明を取り入れたいと思っていて、既製品の木製フロアスタンドをずっと探していました。 しかし、いくら探しても、どうしてもイメージ通りのフロアスタンドを見つけることができません。 イメージしていたのは、ジャン・プルーヴェのテーブルや椅子のような、直線的でラインのキレイなフォルム。 そこに配線用の真鍮パイプが一本通っていて、シェードはライトグレーの少しテクスチャー感のある生地。 そこで。 ここまで具体的なデザインイメージがあるんだったら、試しに作ってみようかなって思って、試作計画がスタートします。 ただし、いままで照明器具を製作した経験がなく、また照明器具工場も全くツテが無い、未知のことだらけ。そのため、知人から特注照明器具を専門にしている方を紹介していただき、照明器具の基本的な構造から製作工場など、照明に関する様々なことを教えていただきながら、なんとか形にすることができました。 試作品が出来上がると、これが思っていたよりとてもいい感じで、イメージにピッタリ! せっかくなので、Basisのオリジナルとして商品化するのもありかも、と少し欲を出していろいろ調べてみると、これがなかなか大変で、オーダー家具には無い、3つの大きな課題がありました。 1.ロット生産によるパーツ在庫の確保照明器具はシェードやソケット、支柱、ベースプレートのように、大小さまざまなパーツを組み合わせて製作します。これらをオーダー家具のように、毎回注文いただくごとに1つ1つ製作すると、パーツ原価における作業工賃や資材ロスの比重が大きくて、合計するととんでもない金額になります。。そのため、価格を抑えるために、パーツごとにまとまった数を先行発注して、在庫として抱える必要があるのです。パーツにもよりますが、最低でもだいたい30個ぐらいのロット製作で、ようやく既製品に近い価格で販売ができます。 ちなみに、椅子を製品化する場合も似たような感じです。 2.PSEマークの認定国内で電気用品を製作販売する際、電気安全環境研究所という認定機関からPSE適合検査という審査を経て、お墨付きの証明書を発行する必要があります。これが、なかなか大変そうでして。。 3.梱包資材の在庫確保パーツ在庫と同様、毎回一箱ずつ専用の段ボールを作るわけにいかないので、これも在庫を抱える必要あり。 特に1と3に関して、Basisの創業当初から「在庫を抱えること商売はしない」と考えていた手前、どうしても踏ん切りがつかず、最終的に製品化を見送りしたのであります。 ただし、他にも製品化する方法があります。 例えば、クラウドファンディングで先行予約数を確保してから製作するとか、照明器具メーカーにデザインを売り込んで製品化してもらう、などなど。。 今後良いご縁があったら、ぜひ製品化を進めていきたいと思います。