この度Basisは組織を株式会社に改め、2018年9月3日をもって新しく「株式会社Basis」を設立することとなりました。
2011年3月21日に神奈川県葉山町にてBasisを創業してから、たくさんの人と出会い、たくさんの出来事がありました。
全ての出会い、全ての出来事に、心から感謝しています。
個人事業主から法人成りのきっかけについて、一般的に納税上の都合や社会的な見え方が多く挙げられるし、もちろん大事な要因ではあるけど、おそらく本質は別のところにあると思います。
それは、「覚悟を決める」ということ。
誤解を恐れずに言えば、個人事業主でいることは正直とても気がラクです。
A4書類一枚で簡単に個人事業を始められるし、A4書類一枚で簡単に個人事業を辞められる。
いつでも簡単に始めれて、いつでも簡単に辞められる。
この気楽さに甘えて、法人成りのことも、もう3年ぐらい検討しては持ち越しを繰り返してきました。
正直にお話しすると、ぼくは今まで自分の物差しでしか世の中を見ていませんでした。
「自分の価値観に共感していただける人だけに、モノづくりを通じてお役に立ちたい。」
そんな風に思っていました。
だから、ほとんどプロモーション活動をすることがなく、設計事務所への営業活動もほぼ受け身の状態。
葉山時代のショールームも、今の等々力ショールームも、どちらも「とても閉じてる感じがする」と良く言われます。
「みんな気軽においで!」って感じより、「興味のある人はどうぞ。」みたいなイメージなんだと思います。
たぶんそれらには、自分の性格も少し影響していると思う。
もともとコミュニティという枠組みがとても苦手で、仲間意識という感覚が皆無に近い。
SNSでの繋がりからは、できるだけ遠いところにいたいと思っていた。
そして、誠に一番残念なことは、好き嫌いがハッキリしていて、なんでも白か黒に分けて生きてきた。ただグレーについて考えることを放棄していただけかもしれない。
最近になってようやく理解したけど、グレーでいることはあらゆる可能性を想定した、とても深い考察力が必要で、ホワイトやブラックでいるよりはるかに難しい。
グレーでいることは、その問いについて安易な答えを出さず、「考え続ける」ことなのかもしれません。
ぼくがアーティストのように自分の感性だけを信じて勝負していきたいなら、今までの考え方でもいいかもしれない。
でも、もちろんそんな才能も願望もない。
そんな自分もあと2ヶ月ほどで40歳を迎えるにあたり、いよいよお尻に火がついてきた。
そして、この危機感が自分の背中を思いっきり蹴飛ばしてくれました。
法人にするということは、「Basis」を一人の法人格として「廣田耕人」から独立させること。
そのために、まずは自分の枠組みを取り払い、苦手だったことにもたくさんチャレンジし、自分をもっと解放して、そして頭で理解する前にまずは受け入れる。
つまり、今まで自分が拠り所としていた行動指針を大きく変えるということです。
その覚悟を決めるのに、ぼくは7年6ヶ月掛かりました。
私たち株式会社Basisは、オーダー家具とオーダーキッチンを提案する会社です。
「とりあえず」選んだモノを容易に消費するより、「こだわって」作ったモノをずっと大切に使い続けることの方が、きっと素敵な人生なんだろうなって。
本気で、そう信じています。
だから、これからも私たちは家具やキッチンをオーダーして作ることにこだわり続けます。