投稿日:2025.02.09
システムキッチンと組み合わせる。
Basisはオーダーキッチンメーカーなので、オーダーキッチンをつくることが一番の目的ですが、いろいろな制約がある中で、既製品のシステムキッチンを生かしてオーダーキッチンのような雰囲気にしたい、というお問い合わせをいただくことがあって、今回ご紹介するカウンターも既製品キッチンと組み合わせた事例のひとつです。
ほんと個人的な意見で恐縮ですが、既製品キッチンを生かすポイントとして、新規で製作するカウンターの高さをできるだけ低く抑えてキッチン全体のまとまり感を演出する、というのがある気がします。
よく、手元を隠すためにほぼシステムキッチンが隠れるまでカウンターを高く設定するケースが多いですが、目線近くまで造作カウンターがあると、空間が分断されてしまって、せっかくのオープンキッチンの良さを生かしきれないんです。
もちろん、現場の大工さんで製作する場合は必然的にハイカウンター仕様になるという施工上の理由もありますが、空間全体のバランスを考えると、少しもったいないのかなぁと。
おすすめは、既製品のシステムキッチンにプラス3cmから5cm程度の段差で新規カウンターを設定すること。
このちょっとした段差だけでも、不思議と心理的に手元を囲われているように感じられる気がします。
また、このカウンターのポイントは、正面右側のウォールナットの腰壁部分。
本来であれば扉をつけたりオープン棚にするなど、収納スペースとして活用できる部分だけど、あえて収納を設けずにどっしりみせることで、キッチン全体に余裕がうまれて、ゆったり落ち着いた雰囲気をつくることができます。
キッチンや家具だけではなく、お家全体の収納計画にもあてはまることで、ついついちょっとした隙間やスペースを見つけては収納にする事例を多く見ますが、ちょこっと収納はとても便利な反面、言葉を選ばずに言えば空間に余白が少なくなることで全体の雰囲気が少し貧相な印象になる気がします。
壁面収納やWIC・パントリーなど、収納スペースをできるだけまとめたうえで、空間に生まれる余白を大切に。
そのバランスが肝要なのかなって思います。
廣田