投稿日:2024.12.01
面を整える。
Basisのオーダーキッチンやオーダー家具をつくる上でいくつか大切にしているデザイン上の決め事があって、その一つに「底目地」と呼ばれるディテールがあります。
一般的にキッチン天板は、製作精度の誤差や組み立てた時の現場精度を緩和するために、本体の周囲からそれぞれ5mmから8mm程度でっぱりを設けることが多いですが、天板が出っ張るため本体との面が揃わず、全体の雰囲気が少しルーズに見えることがあります。
そこで、天板と本体の間に底目地と呼ばれる3mmから5mm程度の凹部を設けて、天板と本体の間に小さな隙間をつくることで、現場精度に囚われることなく面を揃えることができるんです。
製作側としては、小さな凹部の中も表面同様キレイに仕上げる細かな作業手間が増えますが、全体の雰囲気にとても大きく影響するため、創業当時からこのディテールをずっと続けています。
一般の方にはとてもマニアックなお話で正直ピンとこないと思うけど、Basisのようなとてもシンプルなデザインの場合、このような細かなディテールの積み重ねがとても大切になってきます。
ハイエンド層向けの贅沢な素材使いだったり、女性ならでの優しい雰囲気など、オーダーキッチンにはいろいろな見せ方がありますが、ぼくたちは家具メーカー出身ならではの経験を活かした、シンプルなデザインをベースにしたきめ細やかなモノづくりのスタイルを、これからも大切にしていきたいと思います。